シミーのブログ

好きなもの。読書会、少女マンガ、人文系、宇宙、社会学、ノンフィクション、、、と、好きなものを羅列していけば何かがつかめる気がしています。ブログは主に世の中に対するぼんやりとした主張です。よろしくお願いします。twitter @koro81k

映画

『アルキメデスの大戦』 天才数学者でも日本は救えない。

映画『アルキメデスの大戦』観てきた。 西の湯川・東の櫂、と称される百年に1人の天才・櫂直(かいただし)は、日本が戦争に突入する事態を阻止するため、巨大戦艦大和の「正確な見積」算定に挑む。映画は巨大戦艦大和が沈む場面から始まり、その戦艦大和建…

男女のすれ違いを描き続けたアニメーション監督について

賛否両論あろう。新海誠監督について書いてみる。 新海監督は、デビュー作『ほしのこえ』を、ほとんど独力で作った。協働が常識のアニメ界において、最初から異端だったのだ。『ほしのこえ』は、女の子がなんでか知らないけど地球代表で宇宙の果てに飛んでい…

『天気の子』 新宿という街

新海誠監督、『天気の子』は、新宿が物語の舞台だった。 基本的に、ここからはネタバレしかないというか、そんな感じです。 新海監督で新宿といえば、『言の葉の庭』である。あれも、雨だった。新宿という街は、渋谷のように動乱が起こらない。騒乱は起こる…

人はみんなちょっとずつ闇を抱えているので、僕はあなたを愛することはできないかもしれない

結局、人間はグラデーションだと思う。真っ暗に闇な人ばかりではないし、クリスタルに明るい人ばかりでもない。『バッドマン』のジョーカーみたいに狂気に取りつかれた人はめったにいない代わりに、自分を全面的に明るく開放できる人も滅多にいない。 デヴィ…

『勝手にふるえてろ』 イチをとるかニをとるか

綿谷りさの同名小説を映画化。『勝手にふるえてろ』 ヨシカは恋をしている。中学生時代から、10年にわたる恋だ。「天然王子」であるイチのことを、社会人になっても何度も脳内再生している。運動会の閉会式の時、「俺を見て」と言ってくれたこと。そうした…

映画『夜は短し歩けよ乙女』について

森見ワールドをいかに再現するか。森見ワールドは、古風でありながらポップな文体とともにあり、また京都という舞台設定も「ああ、こういう不思議なことありそう」みたいな感覚を補強している。だから無理に映像化しようとするとその不思議な感覚を損なって…

『主戦場』 歴史の見方は現在の自分を表す鏡

映画『主戦場』を観てきた。 従軍慰安婦に対し、右派・左派の意見を国内外問わずインタビューとして集め、様々な論点について明らかにしたドキュメンタリーだ。従軍慰安婦像は、なんか韓国のプロパガンダが強く頑なだな~と、映画を観る前は漠然と思っていた…

甘やかしの先にあるのは、吉ばっかりのおみくじだ。

本文は三宅隆太『スクリプトドクターの脚本教室』によっています。スクリプトドクターとは、映画やドラマなどの脚本・物語を整理する役割の人で、監督やプロデューサーなど内部の人たちで煮詰まったとき、有効に助言してくれる外部である。 さて、まず、ある…

『海獣の子供』 感動しすぎてもはや涙も出ない。

映画『海獣の子供』観てきた。もともと、五十嵐大介の原作マンガも好きだったのだけど、あの STUDIO4℃ が映像化すると聞いて、しかも6年かけてとなれば、観に行かざるを得ない。 原作マンガは世界中で起こる海洋奇譚や、海に関する神話・不思議を圧倒的な画…

『アラジン』 本当の願いとは

『アラジン』においては、自由を志向するアラジン、ジャスミン側と、支配を趣向する国務大臣側が対立している。そもそも魔法のランプ出身のジニーが叶えられる願いには制約がある。人を殺すこと、人を恋に落とすこと、死人を甦らせること。これはできない。…

ポケモンマスターになりたかった僕は、コダックを愛することができなかった。

ポケモンGOで屈指の人気を誇るコダックで、少し前に大喜利が起こっていた。頭を抱え、頭を抱え、ぱああっ。みたいな動作をするコダックに合わせ、みんな様々な言葉をのせていた。(スリザリンは嫌だ。スリザリンは嫌だ。………グリフィンドぉール!とか。) さて…

『ゴジラ キング・オブ・ザ・モンスターズ』について

ゴジラ観てきた。たぶんネタバレというか、全体のストーリーについて書くので、真っさらの状態で観たい人はまたいずれ。ごきげんよう。 迫力はあった。怪獣同士の対戦だと、往々にしてプロレスになりがちだけど、カメラの視線が常に、怪獣たちのそばにいる巻…

コング…コングじゃよ

『キングコング 髑髏島の巨神』を昨日、金曜ロードショーでやっていたので観た。2回目。ゴジラ公開にあわせた放映という。 キングコングは何回か映画かされているけれど、かつては文明が野生をコントロールしていく時代背景があったので、文明の象徴たるエ…

ボーイ・ミーツ・ガール論

ボーイ・ミーツ・ガールのミソは、お互いがお互いにちょっと重なったかなとなったものの、やはり違う世界にそれぞれが進んでいくところにある。付き合い出したりしたらちょっと違う気がする。『君に届け』は「君に届いた」時点でボーイ・ミーツ・ガールでは…

心のベンジャミン・バトン

この前、16歳の学生さんが、「もう自分、老害なんで~」とか言っていた。 ちょっと前、市議会選挙が終わった後の90歳の議員が「まだ心は若い!」と叫んでいた。 これを「心のベンジャミン・バトン」と名付けたい。 『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』…

村上春樹について思うこと

村上春樹について思うことを語り合う会に出てきた。そこで話していて思ったこと。 村上春樹が「現代の神話の再創造」をしようとしている、という話。典型的な神話の構造は、英雄の物語だ。ある世界で活躍していた英雄が、別の世界に旅立ち、そこで戦い・挫折…

いだてんとかぐや姫

大河ドラマをはじめ、歴史モノの面白さの1つは、歴史というハコに「感情」をこめるところだと思う。高畑勲監督の『かぐや姫』は、昔話として形式化されたハコに、かぐや姫の葛藤、周りの人々の感情を豊かに加えた作品だった。名作だった。 今期の大河である…

『聲の形』について

以前にマンガの『聲の形』感想は書いたのだけども、今日改めて映画を観て、気づいたことなど。 石田くんは西宮さんのことを、「最強の敵」だと思っていた。小学生の彼にとって耳が不自由な西宮さんは退屈な日常における異物である。しかして、たいがいの物語…

『未来のミライ』について

『未来のミライ』観てきた。メッセージは「くんちゃん(4歳児)は未来ちゃんのお兄ちゃんになる」だった。 冒頭、未来ちゃん(正確にはお母さんが帰ってくる)が来るのを窓際で待つくんちゃん。季節は冬で、窓に息を吹きかける彼の行動は、『この世界の片隅…

打ち上げ花火 観てきた。

『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』観てきた。 納得のいかない現実Aがあり、別の可能世界Bに移行しようとする、タイムリープ+中学生の純愛もの。 「1993年に放送され、95年に劇場公開もされた岩井俊二監督の名作テレビドラマを、「モテキ」…

過去と未来と現在と

・確実にある未来・確実にありえない未来・確実にあった過去・確実にありえた過去 ... 映画『ローマの休日』において、オードリー・ヘップバーンは「シネマティックな身体」を体現していたらしい。庶民の生活を軽快に魅力的に学んでいくアン王女と、圧倒的な…

沈黙ーサイレンスー

例によって『沈黙』について。よかった。なんというか、「問いかけ」に満ちている感じがよかった。 奉行所の役人は言う。「ただの形式だ。ちょっと踏めばよい。少しなでるだけでもよい。それ以上は問わぬ。さあ、踏んで自由になれ」そう、僕なぞは、踏み絵は…