シミーのブログ

好きなもの。読書会、少女マンガ、人文系、宇宙、社会学、ノンフィクション、、、と、好きなものを羅列していけば何かがつかめる気がしています。ブログは主に世の中に対するぼんやりとした主張です。よろしくお願いします。twitter @koro81k

あらゆるものから距離をとること。

村上春樹『ノルウェイの森』で、主人公のワタナベが言う台詞だ。僕はこの台詞けっこう好きで、いわゆるリベラルって、あらゆるものから距離をとる姿勢な気がする。高畑勲監督などは、ジブリで正社員として働いたことはなく、都度都度の契約だったし、どんな…

あおり運転と遠藤周作『沈黙』

遠藤周作『沈黙』の面白いところは、何度も神を裏切るキチジローが、頑強に信仰を捨てようとしないロドリゴ神父のとこに、幾度も幾度も現れることだ。ぶっちゃけ、ロドリゴ神父はキチジローのこと嫌いなんだけど、神父たるものそういう差別はできない。映画…

「老害」って存在はいないと思うんすけど。

友だちって、ある時期を境に減少してくる。学校とかは、ある程度、生活環境とか価値観が似てる人たちが半強制的に集まる場所で、同じ活動(部活とか)をみんなで目標を持ってやるので、友だちができやすい。日本だと、ほとんど、全人格を学校に預けているか…

戦いに勝つために 『ガリア戦記』

カエサルはローマから進軍し、ガリア地方、今のフランス~ドイツ国境あたりまでを速攻で攻めたてた。そう、速攻だった。ヘルウェティー族が河を渡るのに20日かかったところ、カエサル軍は1日で済ますことができたとか。背景には、アッピア街道をはじめと…

『罪と罰』からセクハラ・パワハラを考える

『罪と罰』は、ロジオン・ロマーヌイチ・ラスコーリニコフが、「百の善行を積んでれば悪人(この場合守銭奴の金貸しの老婆)を殺したってよくね?」という思想を抱き、殺人を犯す話。彼の本名をロシア語表記すると、Pが3つ並ぶ「PPP」。これは、世界の…

亡者たちは『蜘蛛の糸』を登ろうとでなく、引きずり降ろそうとしてたのか。

芥川龍之介『蜘蛛の糸』。お釈迦さまが弟子のカンダタとイチャイチャしてて、戯れに下の階層に蜘蛛の糸をつつーっと垂らす。一人の人間がその蜘蛛の糸を登ろうとすると、亡者たちが群がってきて、蜘蛛の糸が切れてしまう。シンプルながら人間の業を的確につ…

他人のことはいくらでも分析できるのに自分はできないのは何故か 『何者』論

朝井リョウ『何者』は、就職活動に奮闘する大学生5人を描く群像劇である。最後にマジかーって返しがあるので詳細は控えるけれど、このうちの1人は、分析を得意としている。他人の状況を客観的に把握し、的確っぽいアドバイスをしている。まあ、こうしたア…

クトゥルー神話的手法で女の子を口説くことについて

なんて下衆いテーマなのだろう。 クトゥルー神話を最近読み始めた。ご存知、アメリカの作家ラヴクラフトが、同時代の作家たちと創り上げた人工の神話、クトゥルー。人類最凶の悪夢とも言われるその神話はカルト的な人気があり、最近だとモンスター・バースの…

「暗いから」という理由で文学の話をしない人向けに。

「暗いから」という理由で、明るい場所(飲み会などの場)で文学系の話をしない人の話をきいた。谷崎『陰翳礼賛』で書かれていたごとく、陰があるから綺麗なモノ・明るいモノがより映えることは間違いない。問題は、それで他人が説得できなことだ。いくら、…

なぜ飲み会の席では三島由紀夫の話ができないのか

飲み会の席は、最大公約数の話題が尊重される。みんな何となく知っていて、適当にそれぞれの意見を持っていて、当たり障りなく笑えるもの。 三島由紀夫は、笑えない。ぜんっぜん、笑えない。 と、言うことで、せっかく飲み会の席で周囲に座った人が文学を読…

『となりのトトロ』は好きだけど、村上春樹は嫌いな理由

『となりのトトロ』は、要は、巫女なしで異界に行ける話である。たぶん、条件はある。子どものある時期にしか開かれていないとか。日常の、リアリスティックな世界に、ちょっとはみ出してくるこの世ならざるモノ達との不思議な交流。確かに、暗闇のなかに、…

アジフライを頼むのでなく、カキフライを所望する人になるということ。

エーリッヒ・フロム『自由からの逃走』には、「人は自由の重荷に耐えられない」なる言葉がある。フロムを始めとしたフランクフルト学派は、ナチス・ドイツから文字どおり絶滅寸前まで追い詰められた人たちが中心になって、当時のドイツ人たちが何故ナチスに…

本をおススメすることの困難性と、困難性について。

基本的に、ここからの話は、花田菜々子『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』を参考に、というか全面的に頼って書いています。 本書には、本をおススメする際の注意点として、 ・特定のジャンルに詳し…

教室でゲロを吐くシーンについての考察

もちろん、比喩である。 芥川が、葬式のシーンを描くとき、参列者はみんな神妙な顔をしているけれど、「腹減ったなぁ」とかそういう、どうでも良いことを考えている人々を描写した。人が大人数集まると、独特の「こうあらねば」なる雰囲気が生まれ、それが習…

最強の小説総選挙(意気込んでもひとり)

一個人が語るにはおこがましいテーマを出してしまった。でも社会とはそんな一個人で出来上がっているわけであり、総選挙といっても一人なわけで、別に誰を傷つけるわけでもない。だから、語る。皆さんも語れば良い。最強の小説について。 まず、何を持って最…

陰キャと陽キャはどこで分かれるのか。

僕が学校に通っていた頃、陰キャ・陽キャって言葉はなかったけれど、確かにそれらしい区別のようなモノはあった。クラスの中で大きな声で雰囲気を盛り上げる陽キャ、自分1人か少数のグループにこもり目立たない存在である陰キャ。閉鎖的な学校空間は、どの…

男子ってステータス上がらないと告白できないんじゃね現象

フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』しかり、ブロンデ『嵐が丘』しかり。お金とか地位とか、そういう外面的なステータスが上がらないと、女子に自信を持って告白できない現象ってある気がしていて、別に女子の方は外側のステータスそんな気にしてな…

愛せなくたって良いじゃない。愛さなくたって良いじゃない。

マンガ『違国日記』は、高校1年生の女の子と、“姉の遺児”である彼女を引き取ることになった小説家の同居モノだ。さすがはヤマシタトモコと言うべきか、響くものが多いマンガである。 遺児を引き取ることになった叔母は、「あなたのことを愛せるか分からない…

本と本のネットワーク

ピエール・バイヤール『読んでいない本を堂々と語る方法』には、本そのものだけでなく、本Aと本Bとのつながり、或いは本だけでなく、著者や時代背景など、本に関する網目のようなネットワークのことを知っていれば、その本を読んでいなくても大抵のことは…

ハードボイルドとは

ハードボイルドとは何か、と問われたら、漫画『ONE PIECE』に出てきたドンキホーテ・ドフラミンゴ海賊団の、事情があっていつも赤ちゃんの恰好をしているアイツ、のことを思い浮かべる。つまり、「世界全部が俺を笑ったとしても、君が笑ってくれるな…

「エジソンノート」の圧倒的な物量の力

読書猿『アイデア大全』は、さまざまなアイデアを生み出す方法論を図録風にまとめた良書だ。その中に、レオナルド・ダ・ヴィンチに憧れ、生涯、ノートをとり続けた「エジソンノート」の紹介がある。 ダヴィンチは、まさにルネサンス型の天才で、3分の2が失…

中国の思想はスマッシュブラザーズだと思う。

任天堂スマッシュブラザーズ。任天堂のキャラクターたちの押し出し合戦ゲームである。ところで中国の思想・歴史というのは、このスマブラみたいなものだと思う。 中国は、圧倒的な武力をもって中央を征服しても、ものの数百年もすれば中国の文化に取り込まれ…

BLを読んだことない30代男子が、BLについて考察してみた。

当方の属性は30代男子。水城せとな、よしながふみ、など所謂BLと呼ばれる分野出身のマンガは読了経験あり。あと、サンキュータツオ、春日太一『僕たちのBL論』は読みました。そこまでやって、ふるふるして実地に踏み込めておりませぬ。 同性同士だと、ノンケ…

勉強は人を救ってくれる。さらに言えば、

勉強は「人間」にしてくれるものだと思う。 『ちはやふる』で、色々あってスランプに陥ったヒロインの千早が、普段はまったくしない勉強を猛烈にするシーンがある。何かに没頭することそれ自体が、ぐちゃぐちゃした感情を整えてくれることでもあるのだけども…

『マチネの終わりに』 愛とは

平野啓一郎『マチネの終わりに』 天才ギタリストの蒔野と、国際ジャーナリストの洋子は、たった3回会っただけだが、お互いを深く愛し合うことになる。現代における「愛とは」を思索した良い作品だった。 まずもって、蒔野は天才なのだけども、30代後半と…

本を・捨てる・生活

そもそも電子書籍で本を読んでいて、「所有」という概念がない人や、図書館で借りて読むなど、同じ読書家であってもその在り方は多様だ。僕はその中で、ごりっごりの買って読む派で、しかも読み終わった本を捨てられないタイプだった。引っ越しのたびに大量…

人を納得させる言葉を持たないヤツが、他人を殴ってニヤついてるわけで。

言葉によって人を納得させるのは難しい。たとえば、先々週の大河ドラマ「いだてん」では、女学生が靴下を脱いで走ったとき(走りやすいからね!)、父親をはじめおじさん連が学校に猛抗議し、金栗氏を辞任させようとした。で。なんで靴下を脱いではいけない…

フェチズム入門

フェチ、について考えたい。検索をすれば意味とかは出てくるのだけども自分でむんむん考えた末にこういった概念は捉えたい。 メガネフェチとか、足フェチ、○○フェチというように、それは「部分」への過剰な愛であるっぽい。あるいは状況。川端康成『眠れる美…

甘やかしの先にあるのは、吉ばっかりのおみくじだ。

本文は三宅隆太『スクリプトドクターの脚本教室』によっています。スクリプトドクターとは、映画やドラマなどの脚本・物語を整理する役割の人で、監督やプロデューサーなど内部の人たちで煮詰まったとき、有効に助言してくれる外部である。 さて、まず、ある…

【誇り】を持つということ。

村上春樹『中国行きのスロウ・ボート』所収の短編には、3人の中国人が登場する。その中の1人、たまたま試験会場で監督官をする中国人が、「そして誇りを持ちなさい。」と言う場面が好きだ。 誇りを持つとはどういうことか考えたとき、それは自分の生まれつき…