xshimmyのブログ

好きなもの。読書会、少女マンガ、人文系、宇宙、社会学、ノンフィクション、、、と、好きなものを羅列していけば何かがつかめる気がしています。ブログは主に世の中に対するぼんやりとした主張です。よろしくお願いします。

誰からも支配をされないために、読書をするということ

ヤニス・バルファキス『父が娘に語る経済の話』を読んだ。さすが古代ギリシャの歴史を持つ国の人だけあり、文化的素養がすごかった。 なかでも、「人を支配するためには、物語や迷信に閉じ込めて、外を見させないようにすればいい」というのが響いた。ゲーテ…

歴史とは

E.H.カー『歴史とは何か』によると、僕らは現在の視点から過去をみることしかできないわけで、純粋な過去は理想であり、どうしたって現在のバイアスがかかるという。だから逆に、歴史は面白い、とも言える。 僕が習ったとき、今や世界遺産になる古墳は、仁徳…

コナンくん的名探偵紹介

名探偵コナンのマンガ冊子のカバー後ろにある探偵紹介が好きだった。今では96巻になっていて、これだけ大量の殺人事件があって登場人物たちはよく日常をおくれているものである。まあ、基本的に、コナンはラブコメであって、殺人事件もラブコメのちょっとし…

『ノルウェイの森』について

村上春樹好きあるあるに、村上春樹にさほど関心のない人から、「何がオススメ?」とか「春樹作品では何が好き?」と質問され戸惑う現象があると思う。結論から言えば「気分による」のだけども、その気分の1つに、『ノルウェイの森』がしっくりくる時がある。…

【番外編】2019上半期私的面白かった本ランキング

昨日の記事で2019年上半期読んで面白かったランキングをやりましたが、惜しくも、本当に惜しくも、ランク外とした作品についても語りたい。というかもう1位!と言っても過言ではない。そんな読んで面白かった本を書きます。 ○島本理生『ファーストラヴ…

2019上半期私的面白かった本ランキング

あくまで僕個人が読んだもので、この期間に発売したものとは限りません。また、便宜上ランキングをつけましたが、好きな本に厳密なランク付けなんてできるかコノヤロー精神でやってますので、あくまで暫定・参考の順位です。 10位 ジェームズ・ブラッドワー…

『岩窟王』と『ガリア戦記』

アベンジャー(復讐者)ものの最高峰に位置づけられる『岩窟王』。フランス革命期の動乱下、船乗りのエドモン・ダンデスは、婚約者を狙う恋敵や、自分の地位を守ろうとする検事などの陰謀により14年にわたり投獄された。 エドモンは19歳とかで投獄されたので、…

焚き火派

ジョン・クラカワー『荒野へ』は、ある若者がアラスカの荒野で餓死するまでを追ったノンフィクションだけども、なんかこの若者の気持ちも分かったりする部分がある。 僕は大学の先輩と2人で、以前、湖沿いにて焚き火をしたことがあった。もうね、最高である…

「女の幸せ」という呪い

方々で言われていることだろうけども、何度でも何度でも立ち上がり言おう©ドリカム。結婚して好きな男のサポートをし子どもを産み育てることが「女の幸せ」というのは、ただの呪いである。その呪いを吐いたのはおじさんである。「ゴースト~前時代の幻~」が…

人を殺してはいけない理由

田村由美『ミステリと言う勿れ』に、何故人を殺してはいけないのか?という問いがあった。 自分が殺されたくないから。 ⇒じゃあ、自分が殺されても良いヤツは他人を殺しても良いことになる。 遺された者が悲しむから。 ⇒遺される者がいない者なら殺しても良…

能という芸能

ちょっと前に薪能を観たことがあった。薪能は本来、2月の御水取りで行われる興福寺の神事だったのだけど、まあ近くでやっていたのだ。こう、意味はまったく分からなかった。でもそれで良かったらしい。能の舞は「型」の組合せで作られるのだけども、他の踊…

『宝島』について

真藤順丈『宝島』について。 舞台は戦後すぐの沖縄から、本土復帰まで。島の語り部視点で沖縄の英雄たちの物語が語られるので、普通の三人称の言い方とかじゃなく、語り部の想い・島の感性みたいなものが入っている。 戦後すぐの沖縄には、戦果アギヤーとい…

愛とは

愛とは、「相手のことを考えてる時間の長さ」のことだとしよう。そうすると、料理を美味しくするコツに愛情というのも分かる。鶏モモ肉をフライパンで熱し、一度取り出して味付け、その間に他の野菜を焼き、鶏モモ肉を戻し…というこのひと手間である。相手の…

『変身』について

いわずと知れたフランツ・カフカの『変身』について。 ボヘミア王国の商人を父に持つカフカは、結核になり苦しんだこともあった。カフカ自身の潜在意識も表現に含まれているか。うーん。。。 主人公のグレゴール・ザムザが虫になるに当たり、その過程は描か…

『美しい顔』について

北条裕子『美しい顔』を読んだ。 文学なので、まあネタバレというか、全体の話をします。気になる方は読み飛ばしてくださいまし。 震災をフィクションにするのは、かなりの困難を伴う。重すぎるのだ。事実が。 津波で流され、腕が反対側に曲がり、下半身がな…

つまみんぐ

触ってはいけないニキビを、つまんでしまう。つまみんぐ。 言ってはいけないのに言ってしまう。 掻いてはいけないのに掻いてしまう。 これらは、言いたい、とか、掻きたい、とか、欲求に基づいている。快楽欲求に従って行動している。シンプルな在り方だ。 …

わたしの少女マンガ史観

と言っても、僕が少女マンガを読み始めたのは25歳を過ぎてからだ。『僕等がいた』(竹内くん!)とか『桜蘭高校ホスト部』(ハルヒ!)とかはアニメで観てた。 なんか、3巻くらいで主人公男子のことが好きなキラキラ女子が攻勢をかけ、5巻くらいで文化祭などなん…

未来をはじめる

宇野重規『未来をはじめる 「人と一緒にいること」の政治学』について。 未来は希望だ。希望は、「まだ_ない」ものだ。ちなみに過去は「もはや_ない」ものである。ということは現在もまた、過去の希望であったはず。現在ある当たり前のことは意外と新しく…

老子さんの道

『老子』について。 彼の思想で重点が置かれているのは「道」である。中国史においてはしばしば、「天」が重視されてきたけれど、老子はその天よりも道について論じている。様々な真理が間接によって語られるように(例:ソクラテスが直に言うのでなく弟子の…

ボーイ・ミーツ・ガール論

ボーイ・ミーツ・ガールのミソは、お互いがお互いにちょっと重なったかなとなったものの、やはり違う世界にそれぞれが進んでいくところにある。付き合い出したりしたらちょっと違う気がする。『君に届け』は「君に届いた」時点でボーイ・ミーツ・ガールでは…

『ベルリンは晴れているか』について

深緑野分『ベルリンは晴れているか』について。多少のネタバレというか、そういうのも含みます。『戦場のコックたち』もそうだったけれど、すごい面白い・が・その紹介が難しい感じ。 舞台は第二次大戦終戦直後のドイツ。 ヒロインのアウグステは、アメリカ…

村上春樹について思うこと

村上春樹について思うことを語り合う会に出てきた。そこで話していて思ったこと。 村上春樹が「現代の神話の再創造」をしようとしている、という話。典型的な神話の構造は、英雄の物語だ。ある世界で活躍していた英雄が、別の世界に旅立ち、そこで戦い・挫折…

AIAIうるさいねん

AIが仕事を奪う、人間を超える、なーんて議論がかまびすしい。 僕はIT系じゃないし理系でもないから薄ぼんやりとしかその辺は分からない。こーゆう時は本に頼ってみる。 シンボルグラウンディング問題。 =AIが言葉の表記と概念を結び付けられない大き…

家族とごはん

瀬尾まいこ『そして、バトンは渡された』を読んだ。 主人公の優子には、父親が3人、母親が2人いる。家庭環境が劇的に変わっているけれども、優子自身は変わっていくというより、もともと在った良いモノにさらに色々な要素が付け加えられていくような感じ。…

「キミスイ」に感動できない問題

住野よる『君の膵臓を食べたい』。通称「キミスイ」。流行モノに素直に感動できず、穿った見方をしている自分は感性が退化しているな、老害だな、と感じる。まあ、老害という言葉は良くなくて、嫌なヤツというのは世代を問わず嫌なヤツなので、ただの「害」…

スピードとミステリ

カエサル『ガリア戦記』を読むと、ガリア地方の部族たちは戦闘準備が整う前にやられていることが分かる。カエサル将軍の判断力もさることながら、速攻を実現したのはアッピア街道をはじめとしたローマの土木技術によるところが大きい。 現代でも、ファストフ…

哲学的ラッキースケベ

ラッキースケベという現象がある。主人公男子の意思に関わらず、周囲の女の子のスカートが風でめくれる、事故の不可抗力で胸を触ってしまう等のスケベ現象が、棚ボタ的に発生することを言う。 さて、そこには責任を問う際の根拠になる、意思が存在しない。意…

『さよならミニスカート』について

2巻が出ていたので読んだ。 りぼん史上に残るであろう衝撃作、『さよならミニスカート』。大丈夫か?小学生女児はついてこれてるか? 今の時代だからこそ、しっかり読んでおいて欲しい作品である。 物語は、握手会で暴漢に斬りつけられ、芸能界から退いた元…

『巌窟王』について

『巌窟王(モンテ・クリスト伯)』を図書館で借りて読んだ。まだ半分だけど、メチャクチャ面白い。あらすじは、無実の罪で投獄されたエドモン・ダンテスが、自分を陥れた連中に復讐していく話なのだけども、さまざまな要素が入っている。 ■脱獄もの 基本的に…

ブレイディみかこ『子どもたちの階級闘争 ブロークン・ブリテンの無料託児所から』

「社会が本当に変わるということは地べたが変わること」 生活保護を手厚くすることでモラルが崩壊する、としたサッチャー政権以降、英国は下層の人たちを切り捨ててきた。カンヌで賞をとった『わたしは、ダニエル・ブレイク』では、フードバンクでの順番を待…