シミーのブログ

好きなもの。読書会、少女マンガ、人文系、宇宙、社会学、ノンフィクション、、、と、好きなものを羅列していけば何かがつかめる気がしています。ブログは主に世の中に対するぼんやりとした主張です。よろしくお願いします。twitter @koro81k

スピードとミステリ

カエサルガリア戦記』を読むと、ガリア地方の部族たちは戦闘準備が整う前にやられていることが分かる。カエサル将軍の判断力もさることながら、速攻を実現したのはアッピア街道をはじめとしたローマの土木技術によるところが大きい。

 

現代でも、ファストファッション業界や、amazonをはじめ、とにかく速さに重点を置く企業などは、物流やオペレーションに多額の投資をし、インフラを整えている。

 

速さを獲得するために、遅々とした地味なモノを積み重ねていく。早くしろ!という時に、意識の問題だけでなく、速さが出せる環境や準備ができているか、まず見てみること。

 

160km/hを出す投手がしばしば故障するように(また野球の例えをしてしまった…)、速度を出すには負荷がかかる。その負荷に対処する方法も考えねばならない。

 

ところで、有栖川有栖エラリー・クイーンの小説の後書きで言っていたが、ミステリの醍醐味はやはり計画殺人にある。それも『岩窟王』並みに年季の入ったリベンジものが良い。(岩窟王はミステリではないが。。。)。犯人が何年何十年も積み上げたモノが名探偵の推理により一瞬で倒壊するカタルシスが得られる。

 

最近だと、話題の今村昌弘『屍人荘の殺人』などは面白かった。はいはい館モノね、クローズドサークルね、と思っていたらそんな理由で!みたいな。ブラウン神父シリーズ『折れた剣』にある警句のとおりではあるけども、その実行速度はやはり入念な準備の先にあるのだろう。

 

『屍人荘の殺人』は探偵役が若者なので、ホームズやミス・マープルのように経験はないし、エラリー・クイーンやファイロ・ヴァンスのように知識もそこまでない。だから観察力と行動力でそれを補う。ときどき、若者ながら内心にこもって推理を展開するタイプがいるけども、経験や知識という地味なインフラ整備が足りない以上、そこからは何も引き出せないと思う。

 

そんな話