シミーのブログ

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コング…コングじゃよ

キングコング 髑髏島の巨神』を昨日、金曜ロードショーでやっていたので観た。2回目。ゴジラ公開にあわせた放映という。

 

キングコングは何回か映画かされているけれど、かつては文明が野生をコントロールしていく時代背景があったので、文明の象徴たるエンパイアステートビルでちょっと暴れ、航空機を何機か落とすキングコングだった(最終的には文明に敗れる野生!)。美女との交流も、非文明人と文明人が恋愛っぽい雰囲気になるに当たり、明らかに粗暴な未開人が美女を誘拐し儀式の供物に捧げるという、あんまりと言えばあんまりな感じである。

 

まあそれはそれで味があるのだが、今回のコングは、題名のとおり“神”として髑髏島に君臨している。ジュラシック・パークの1作目と同じく、圧倒的な野生の場所に置かれた人たちが、A地点からB地点に移動する際、様々な困難を乗り越えていく小隊モノが本作だ。

 

まずもって、そんな攻め方ある?みたいな攻撃が四方からやってくる。単純な怪獣ではなく、それぞれの個性を活かした攻撃。またあの、キングコングの宿敵みたいなヤツが良い。鼻が、通常の目がある位置に擬態的にあるので、キングコングの理性的な眼と対照的に、虚穴のような、死体が動いているような不気味さなのだ。

 

このキングコングを神とあがめる土着の民族の方々は、ずっと無表情で黙っている。変な儀式をする未開人像でなく、僕らとは違う文明でもって活動しているんだろうな的な人たち。そしてその方々と共に暮らしてきた、第二次大戦上がりの老兵。この老兵と、今回、A地点からB地点に移動するミッションをおおせつかった現役の軍人さんとの対立も良かった。現役の軍人さんはキングコングは国民の脅威だし、また大切な部下を殺した宿敵だから、島を脱出することより、彼を殺すことを至上命題として動いてしまう。

 

現役の軍人さんは、正しい。圧倒的に正しい。だから僕らは、軍人さんの狂気を説得する言葉を持たない。「間違ってる、こんなことは…」としか言えない。何故なら明らかに知性があると観えるキングコングはしかし、我々人類の統制下には絶対に入らない類のものだから。かつてのコングは統制することがある程度できて、ニューヨークに連れてくることもできた。でも、アパッチとか叩き落す今回のコングは、明らかに異質で、異様で、どちらに触れるか分からない存在だ。危険すぎる。

 

で、そのコングが、軍人さん以外の人とある程度の交流を図ることができたのは何故か。作品を観ていても、正直、よく分からなかった。で、この、よく分からなさが良いと思った。僕らは何となく、人と人で交流して分かり合えたような感じになっているけれど、でも何故、そうできるのか、よく分かっていない。それでも、共闘することができる。ともに戦うことができる。決してなれ合いではないけれど。

 

ということで、現代版にアップデートされたキングコングはけっこう面白かったので、今度のゴジラも期待だ。