シミーのブログ

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『岩窟王』と『ガリア戦記』

アベンジャー(復讐者)ものの最高峰に位置づけられる『岩窟王』。フランス革命期の動乱下、船乗りのエドモン・ダンデスは、婚約者を狙う恋敵や、自分の地位を守ろうとする検事などの陰謀により14年にわたり投獄された。

 

エドモンは19歳とかで投獄されたので、彼は20代をまるまる獄中で過ごすのだけど、この獄中でファリア神父という、狂人と見なされている人から薫陶を受ける。この神父がまた、ダヴィンチ級の万能の人であって、粗暴な若者だったエドモンは立派な教養人になる。

 

アベンジャーものを観るとき、その復讐に同意できるかどうかは重要なポイントだ。大事なものを奪われたり、また復讐が衝動的でなく、長期にわたり計画されたものとかだと良い。岩窟王の場合は獄中の14年と、脱獄してからもものすご〜く時間をかけてる。復讐したい相手は立派な紳士になってるので、モンテクリスト伯という謎の貴族に扮し、彼らの息子とかと仲良くなることから始める。実に気が長い。

 

さて、そんな岩窟王は道中、有名な山賊を手懐ける。その山賊の首領はエドモンに心酔するわけだけど、山賊が読んでいた本が『ガリア戦記』である。

 

ガリアは、現在のフランス地方も含む。ローマの英雄カエサルが、アッピア街道をはじめとした古代ローマの土木技術を活かし、速攻でガリア地方の諸部族を制圧していく戦記だ。

 

まあ、これからパリにいる憎き相手たちと決戦に至る暗示とも言えるかもしれないけど、でもガリア戦記をよくよく読むと、カエサル始めローマ軍も、戦う理由、よく言えば大義について迷っている様子が描かれていたりもする。

 

なんかやる気むんむんの部族がふっかけてきて地域の安全が乱れ、ローマと同盟してる部族がカエサルに要請を求めるとか、そんなことがないとローマ軍も出動しない。明治日本とかに英国やフランスが武器を肩入れしたのとかと変わらない。国が侵略されるとき、それはしばしば内部対立から起こる。

 

実は、ここまで紹介しといて申し訳ないですが、僕も『岩窟王』は半分くらいまでしか読めてない。肝心の実際の復讐に行くまでの過程がものすごく長く、情け無いが頓挫中。

 

ただ、まだエドモンを陥れた奴のなかでも優しいかな〜と感じの男のトコに行った時は、相手の言い分を聞いて、自ら悔恨させるシーンがあった。アベンジャーにとって最大の屈辱は、きっと忘れられていること、だろうから、まずちゃんと思い出させるのだろう。『ガリア戦記』に登場した部族たちのように、そこには複雑な人間心理があるはずだ。

 

うん、読もう。