シミーのブログ

好きなもの。読書会、少女マンガ、人文系、宇宙、社会学、ノンフィクション、、、と、好きなものを羅列していけば何かがつかめる気がしています。ブログは主に世の中に対するぼんやりとした主張です。よろしくお願いします。twitter @koro81k

【番外編】2019上半期私的面白かった本ランキング

昨日の記事で2019年上半期読んで面白かったランキングをやりましたが、惜しくも、本当に惜しくも、ランク外とした作品についても語りたい。というかもう1位!と言っても過言ではない。そんな読んで面白かった本を書きます。

 

島本理生『ファーストラヴ』

 

直木賞受賞作。父親を刃物で刺し殺した女子大生・環菜を、臨床心理士の由紀が面会を通して彼女の心の謎を解いていく。いわゆる家族の呪い系の作品。過去の積み重ねが現在の自分につながるとしたら、その過去を適確にとらえ直さないといけない、そんなスタンスを感じた。全体にサスペンス調でぐんぐん読めた。

 

○桑木野幸司『記憶術全史 ムネモリュネの饗宴』

 

古代ギリシャで弁論術全盛の時代。ペーパーとか読むことができなかったので、記憶術が大流行した。記憶に大事なのは場所とイメージであり、特に場所は、「ロクス」という仮想建築をイメージし(たとえば普段良く行く巨大建造物の内部を正確に心の描き)、その仮想建築の中に情報を張り付けていくという。この記憶術は、情報爆発という意味では現代に通じるルネサンスの時代も再興し…。現代人も意識せずにいられない、記憶術をめぐる歴史である。

 

○ジョー・イデ『IQ』

 

アイザイア・クィンターベイなる黒人私立探偵が、犬を使っての殺人計画の謎を追う。シャーロック・ホームズに通じる王道の帰納的推理の手法。IQ自身は兄の理不尽な死をきっかけに、様々な経験をし、その経験を実地の現場にいかす。1000の事件のすべてを知っていたら、1001件目の事件を解決することができる。また、マイノリティの視点もある。古くて新しい探偵小説。

 

○アン・スウェイト『グッバイ・クリストファー・ロビン 『クマのプーさん』の知られざる真実』

 

「偉大な父親問題」。クマのプーさんを生み出した作家のAAミルンは、最初から子ども向きの作品を描きたかったわけではない。コナン・ドイルが探偵小説を書きたくなかったのと同じく、文学的名声を得たかったミルンは、終生、自らが生んでしまった『クマのプーさん』に苦しめられる。息子のクリストファーを巻き込みながら。クリストファーの大切な子ども時代の心情に、無自覚に手を入れ、世界に拡散してしまったミルンと、そんな親を持ったクリストファーの葛藤。

 

などなど、どれも面白かったわけですが、やむなくランキングから外してしまいました。でも、番外編として紹介できて本望であります!