シミーのブログ

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ハードボイルドとは

ハードボイルドとは何か、と問われたら、漫画『ONE PIECE』に出てきたドンキホーテ・ドフラミンゴ海賊団の、事情があっていつも赤ちゃんの恰好をしているアイツ、のことを思い浮かべる。つまり、「世界全部が俺を笑ったとしても、君が笑ってくれるならば、俺は世界に笑われようとも構わない」態度である。

 

レイモンド・チャンドラー『長いお別れ』は、夜中に助けを求めてきた友だちのため、ハードな世界から追われることになる男が主人公だった。ハードボイルドは、孤独とは異なる。守りたいモノを守る、つーか守り切れないモノに対しても全方位的にがんばるヒーローとも異なる。その中間、ある特定の人のために世界を敵にまわす決意ではないか。

 

村上春樹世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』。「僕」が一人称で閉じた壁の中を生きる“世界の終わり”と、「私」が一人称で世界を何故か敵にまわしている計算士“ハードボイルド・ワンダーランド”が交互に記述される。そう、ハードボイルドには敵がいるのだ。

 

その敵と言っても、ヘミングウェイ老人と海』に出てきたカジキマグロとかそういうのではない。むしろあのカジキマグロは老人にとってライバルというか、もはや友だちだったし。また、メルヴィル『白鯨』でもない。人喰い鯨モービィ・ディックを追うエイハブ船長の怒りは、私怨だ。個人的な怨みだ。ハードボイルドにおける敵は、理由や説明を明確にできない世界そのものであり、主人公も別にその敵に怨みを抱いているわけでもない。ただ、「君に笑ってもらうため」に信念を貫いていたら、自然と、向こう側が攻めてくるだけだ。

 

まあなんか、そういう態度のことだと思うので、道中助けてくれるバディーとか、道を示してくれる師匠とか、そういう人は出てこない。出てきても、ごく限定的である。それは主人公の個人的な信念そのものに、世界が侵入してこようとするのを守る戦いなので、信念Aと信念Bがフラットに戦う構図とは異なる。ジェダイと帝国の対決ではない。

 

あと、復讐とも違う気がする。別に前向きってわけではないけど、復讐のように、決して後ろ向きではない。ディカプリオ様が相当に痛い目に遭った映画『レヴェナント』などは一見、ハードボイルドっぽいけど、あれは復讐が物語の原動力なので、ちょっと違う。

 

と、違うものをどんどん列挙していくことによって、ハードボイルドの輪郭を描きだしてみた。まあなんか、最終的には、そういう「心意気」と捉えてみると良いように思う。

 

そこに痺れる、憧れるぅっ!!