シミーのブログ

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最強の小説総選挙(意気込んでもひとり)

一個人が語るにはおこがましいテーマを出してしまった。でも社会とはそんな一個人で出来上がっているわけであり、総選挙といっても一人なわけで、別に誰を傷つけるわけでもない。だから、語る。皆さんも語れば良い。最強の小説について。

 

まず、何を持って最強となすか。僕は、「全部盛り」が最強だと考えた。

パフェにしろ何にしろ、好きなモノ「全部盛り」は最強だ。何故なら好きなモノであふれているのだから。小説の場合、その物語に、人間の尊厳、信仰、社会観念、時代、普遍的な何か。だいぶ難しい語彙を使ってしまったけど、要するに人間そのものを描いていたら最強だな、と考える。

 

それで行くと、やはりドストエフスキーカラマーゾフの兄弟』だろうか。

 

ヒョードルカラマーゾフという、稀代の淫蕩者の殺人事件をベースに、ヒョードルの息子たちである長兄ドミトリー(ミーチャ)、次兄イワン、末っ子のアリョーシャが自身の存在をかけて物語を進めていく。特に、「未完」ってトコが良い。『カラ兄』は、アリョーシャが主人公であるって記述から始まり、アリョーシャと子ども達という唐突極まりない章で終わっている。これは、敬虔な信仰を持っていたアリョーシャが、ゾシマ長老(死んだら聖人は死体も腐らないとされていたが、ゾシマ長老は死後すぐに強烈な腐敗が進んだ)の死と、ヒョードルという実父の死を経験し、信仰を変えて革命家としてロシアを救いに来る、なーんて想像が膨らむ作りになっている。

 

だから『カラ兄』は、アリョーシャが革命家として大成する前の、若き日の前日譚とも読める。実際、皮肉屋の次兄イワンが「大審問官」という例を出して神学論争をアリョーシャにしかけたりする。その次兄イワンは、長兄ミーチャの裁判の際、発狂してしまう。無神論でニヒリストのイワンの発狂。こういう謎も色んな解釈ができて楽しい。

 

と言う感じで、『カラマーゾフの兄弟』は「全部盛り」なのである。

そうすると、デュマ『巌窟王』なども捨てがたい。エンタメ部門とかあったら『岩窟王』を選びたい。日本に限ると何だろう。。。村上春樹ねじまき鳥クロニクル』とか良い感じに盛ってると思うんですよね。

 

短編部門は、逆に削って削って、何かを浮き上がらせるような、一本槍のごとく研ぎ澄まされた感じが最強、ではなかろうか。よく、作品で、「○○が描かれていない!」みたいな批判があるけれど、それこそ総合小説級の物量がないと無理だと思うのです。だから、あるテーマを浮き上がらせるようなモノが良い作品ではなかろうか。

 

ちょっと、思うままに書いてきたので、短編部門はちょっと考えます。すいません。

というか、部門別にするって発想が最初はなくて、書いているうちに考えつきました。最強の小説って、難しい。