シミーのブログ

好きなもの。読書会、少女マンガ、人文系、宇宙、社会学、ノンフィクション、、、と、好きなものを羅列していけば何かがつかめる気がしています。ブログは主に世の中に対するぼんやりとした主張です。よろしくお願いします。twitter @koro81k

海は、生み親

今週のお題「海」

 

お題に初参加です。よろしくです。

まあたぶん、以下のような内容を期待されているもんじゃないかと想像しますが、ブログの自由さと自由の精神を信じて投稿します。海の話なのに、全然爽やかじゃないという。

 

アレですね、最近の海と言えば、五十嵐大介原作、STUDIO4℃制作の『海獣の子供』と言わざるをえない。母なる海、のその言葉どおり、生命の誕生を圧倒的な画力と壮大な音楽で描いた怪作だった。ラストシーンで、宇宙から来た隕石の欠片をウミが自分で食べようとしたのに対し、ルカは「ダメ!」と言ってそれを奪う。そんで「食べさせる」。あたかも、母親が子どもにご飯をあげるように。

 

海に生きる生き物たちは、水でつながっているので、それぞれ生き方が多様でありつつ、どこか一つの個体みたいなイメージもある。人体が、色々な微生物や器官と共存して存在し、元素のレベルまでいくと、宇宙から来ているのと同じく、それは1つひとつ個別のモノであると同時に、大きな全体とつながっている。

 

その、つながってること、の安心感。

波打ち際とか、いつまでもぼーっと見ていられるのは、自分が大きなモノの一部で、ちゃんとつながっているからじゃなかろうか。

 

海獣の子供』においても、物語の冒頭で、ルカはハンドボールの練習で相手を傷つけ(相手が先に仕掛けてきたのでやり返しただけではあるが)、夏休みの最初から絶望している。それは他の人との、つながりが切れ、一人でつまんないなぁ、と感じたから。原作のマンガはガチガチのSFなので、海洋奇譚集の要素が強いけど、映画はルカという女の子の成長譚として構成されていたので、彼女が周囲とのつながり・自分の生まれというルーツを知り、成長できた冒険浪漫になっている。

 

あと、海系の話で良かったのは、いきなり古くなるけど、『老人と海』。

あの話も、サンチャゴという自分を慕ってくれる若者と離れ、「1人」で海に出た老人が、カジキマグロと対決する話だけども、あれは「俺以外には殺されてくれるなよ」という愛であって、もはや付き合ってますよね二人。そういうつながりも、ある。メルヴィル『白鯨』にしても、巨大鯨を追うエイハブ船長は「自分をこんなにひどく傷つけやがった」人喰い鯨を追いかけていくわけで、それって、恋じゃないですか。

 

「たとえ相手にとってトラウマになる級の出来事として記憶されるとしても、しっかり傷を残してやる」という、歪みにゆがんだ、まっすぐな恋。

 

なんかだから、海の話は、「つながり」がキーワードになると思う。

孤独で、つまらなくて、なん~にもやる気がしなかったら。海を見るべし。