シミーのブログ

好きなもの。読書会、少女マンガ、人文系、宇宙、社会学、ノンフィクション、、、と、好きなものを羅列していけば何かがつかめる気がしています。ブログは主に世の中に対するぼんやりとした主張です。よろしくお願いします。twitter @koro81k

何も失うものがない人を止める方法とは

ドラマ『凪のお暇』を面白くて観てる。30代目前の会社員・凪は、空気を過剰に読んでしまう女子だ。或る日、付き合っていたシンジの裏切りや、同僚たちからの圧に耐えきれず、過呼吸を起こしてしまう。「あれ?空気って、吸うものだったっけ?」

 

そうして会社を退職し、東京の郊外(立川!)へ引っ越す。お暇のはじまりだ。

さて、ここで過去が追いかけてくる。ダメ彼のシンジである。もうなんか、彼が凪ちゃんを好きな理由全然分かんないんだけど、「常に自分が相対的優位に立てる」ことと、「俺より下位の人間のくせに健気に俺に尽くそうとする姿勢」かな。強いてシンジが彼女を好きな理由を挙げるとすれば。まあ、まず「好き」って感情が先にあって、理由はしばしば後からつけるものなので、何とも言えんけれど。

 

このシンジは、しつこいし、凪に呪いの言葉をたくさん投げかけてくる(「お前は絶っっっ対に変われない」)のだけど、止まりますよ。何故ならば、失うものがあるから。エリート会社員としての地位とか、表面的にうまくやっているように見える広い交遊関係とか。逆にいえば、会社を辞めたり、今までの交友関係をすべて断ち切るみたいなとこまで行くと、危ないけど。

 

またちょっと前のドラマ『アンナチュラル』だと、失うものが何もない人たちが1つのテーマになっていた。UDIラボという、司法解剖を専門とするチームの話なのだが、ある回で、恋人を殺された男が、犯人に対し包丁で斬りつけることがあった。彼は、その元恋人と駆け落ち同然で、家族も故郷も何もかもすべて捨てて彼女のことを選んでいたので、失うものがなかった。子どもとか、現世において大切なものもなかった。殺人者になったところで、困る者・傷つく者も、いなかった。

 

だから、彼にどんな言葉をかけようと彼を止めることはできんよなぁと、ずっと僕は思ってきた。

 

『アンナチュラル』のラストは、最悪の連続殺人犯を有罪に追い込める証拠が見つかるかどうか、だった。ここでもまた、恋人を惨殺された解剖医の人を止められる言葉が・方法が、途中までまったくなかった。彼は、普通は肉親とか親しい人が解剖にまわってきたらその人は執刀しないんだけど、犯人を捕まえるために、自らのメスで恋人を解剖していた。そこまでの狂気を抱えて、世界のすべてを失っていた人を、止めることなんてできるのか。

 

正義?倫理観?新しくできた大切な人たち?後に続く者への責任?

 

ドラマが出した結論は、彼を止めるほどのものだったろうか。どれにしろ、「合わせ技一本」ではあったと思う。京アニの、本当に哀しい話も現実にあった。何も失うものがないヤツを止める方法を、真剣に考えなきゃなんない。