シミーのブログ

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哀しいかな、高校野球とアイドル総選挙

子どもを「子ども扱い」するのってすごく大事だと思う。

 

高校野球では、岩手の佐々木朗希くんが連投の不安から、決勝戦の登板を回避した。野球において、160km/の球を投げる投手は少ない。少ないけれど、それはとても「肘」に負担がかかることだ。米国では、肘のじん帯を手術するトミー・ジョン手術を受ける投手が全体の2割に達するという。松坂も、ダルビッシュも、大谷もこの手術を受けた。筋肉は、鍛えられる。でも、筋肉や骨をつなぐじん帯は、鍛えることができない。剛速球を投げ続けると、どうしてもこのじん帯に傷がつく。連投していったら、小さな傷でも治らなくなる。根性とか鍛え方の問題でなく、ここが人間の限界なのだ。

 

そして逆に、投球マシンの進化で、人間が投げられない速度の球を打って練習することもできるようになった。結果、投手は人間の限界に達する域(160km/h中盤の直球)まで来たけれど、打者の方はどんどんそれに対応する人たちが出てきて、今年のメジャーリーグでは本塁打が過去最多ペースで量産されている。

 

と、背景を言ったうえで。

佐々木くんは、まだ10代の「子ども」である。観客を喜ばせるプロじゃない。教育の一環として、一つの部活として、野球をやっている。だから、彼が身体を壊す可能性があるなら、投げる必要なんてない。それを野次るのは、深刻な人権侵害だと思う。

 

そりゃ、本人は、「肘が壊れようと投げます」とか言うだろう。期待された、3年生の最期の夏。「今」が、自分の人生のピークだと、10代の頃は思いがちだ。

 

そこを将来のことを考えて、もっと長いスパンで、見守るのが、彼の意思に反し恨まれようとも止めるのが、大人じゃなかろうか。

 

アイドル総選挙も同じだ。ほとんどの女の子は、10代である。男性アイドルには、このような総選挙という仕組みはない。男性アイドルが好きな女性たちは、むしろ彼らが誰と仲が良いかなど、そうした関係性を楽しんでいる。他方、アイドル総選挙に投票する人たちは、「あたしは1位になりたい!応援してください!」と言われたい欲求を満たすために、彼女らを追いかける。徹頭徹尾、自分のためだ。

 

そりゃ、高校野球と同じで、アイドル総選挙に出る娘たちは「勝ちたい!」とか言うだろう。でもその過程で、たとえば対抗している娘とか、そのファンと名乗る暴漢とかから罵声をかけられたら、10代は、自分が思っている以上に傷つくし、その傷はずっと残る。それこそ、手術では取り除けないくらいに。

 

子どもを子どものままにしておかないこの国は、どこか病んでるんじゃないか。良い加減、そういうのやめませんかね。