シミーのブログ

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戦いに勝つために 『ガリア戦記』

カエサルはローマから進軍し、ガリア地方、今のフランス~ドイツ国境あたりまでを速攻で攻めたてた。そう、速攻だった。ヘルウェティー族が河を渡るのに20日かかったところ、カエサル軍は1日で済ますことができたとか。背景には、アッピア街道をはじめとした古代ローマのインフラ力と、統率力がある。

 

特に、統率力の方は、現代よりも運に対する信頼が強い時代だったから、「自分はこの軍団に所属してれば大丈夫!」って部下に思わせなければ、たちまち瓦解したんだろう。事実、強敵のゲルマーニー人などは、主婦がクジや占いで戦争をするのが得か損かを決めるのが習慣であり、ゲルマーニー人の捕虜になると、焼き殺すかどうかを毎晩クジで決めてたりしたという。

 

現代もまた、誰の上司になるか。誰の部下になるか。は運である。もうねー、権力を握っちゃいけないタイプの人って必ずいると思うのだけど、そんな人の下に来たら不幸である。そうした人は、総じて遅い。だらだら批評するばかりで、決断をしない。そんで、ようやっと先に進んだと思ったら、今度は責任を負わないうえ、成果が出たら自分のもの。そんで、部下には黙れ、とか言う。

 

もうね、焼き殺されれば良いのに。

 

僕の呪詛はさておき、カエサルは、本当に速さにこだわっていた。

 

「一切の救いに対する唯一の望みを速さにかける」とも言っている。地形の不利も、とにかく速さがあれば勝てる、と。敵に準備する余裕を与えると、武器をもって戦闘準備ができて激戦になる。でも、その前に不意打ちをかませられれば、たちまち軍団は四散する。

 

この速さへのこだわりもすごく、たとえば船を建造する際、積み込みと引揚げを速くするため、地中海で普段使っている船よりも低目のものをわざわざ戦闘用に使った。ガリア地方近くの海は潮の変化が激しく、波が高くないのも情報として知っていた。

 

だから、速さ、スピード・イズ・バリューという時、それは人の意識だけの問題じゃないのだ。スピードを生むのはインフラだ。だから、環境を整備しないで、とにかく速く対応しろ!とか言っても、慌てて焦ってミスが出てきてそのリカバリーに時間とられるだけで、効果は上がらないだろう。カエサルの部下たちも、その船が、街道が、どういう風に役に立つのか明確なビジョンがあったように思う。だって自分たちが実際に使いやすいのだし。

 

ついでに言えば、ローマ軍は油断もしなかった。相手が和平とか言ってきても、武器をしまわない状態で近寄ってきたら、絶対に受け入れなかった。

 

必勝・常勝には、やはり理由があるのだ。